行政視察報告

 10日から12日までの行政視察での報告です。

 最初は北九州市のロボット産業施策を視察しました。大和市もロボット産業特区に指定されているため非常に興味深く話をお聞きし、質問もさせて頂きました。

 北九州市新成長戦略は以下の方向性で進められています。

 1.地域企業が元気に活動し続ける環境整備

 地域企業のビジネス展開を推進する組織横断的な体制整備や、中小企業等の競争力向 上、地元企業の高度化など

 2.高付加価値ものづくりクラスターの形成

 次世代自動車産業拠点形成やロボット産業拠点の形成、環境産業拠点の形成など

 3.国内潜在需要に対応したサービス産業の振興

 高齢者を中心とした健康、生活支援ビジネス推進やサービス産業の高付加価値化など

 4.グローバル需要を取り込む海外ビジネス拠点の形成

 アジアに貢献する都市インフラビジネスの展開や北九州ブランドの海外ビジネス支援

 5.地域エネルギー拠点の形成

 省エネルギー再生可能エネルギー、水素エネルギーの推進など

 6.雇用創出

 この中でロボット産業は、大きな位置を占めていると考えられます。

 基本方向1、2、3、4、5全てにかかわりを持ちます。

 

 以上の北九州市成長戦略において、重要な拠点として「北九州学術研究都市」が平成13年4月にオープンしました。理工系の国、公、私立大学や研究機関が同一のキャンパスに集積しています。また、コーディネーター機関として「公益財団法人 北九州産業学術推進機構」が大きな役割を果たしています。同法人の平成27年度の事業費は19.8億円です。

 その中で、ロボット産業クラスターの形成に関しては、民生用(サービス)ロボットの開発支援、地域企業のロボット導入支援などを行っています。また産業用ロボットに関しては、中小企業へのロボット導入支援やそのための補助金、さらに導入支援センターなどもあります。インフラ点検ロボットの実用化支援なども行っています。

 以上が北九州市の産業施策、ロボット産業施策の概要です。

 大和市においてどのような点が参考になるかですが、北九州市とは、大学を含めた学術研究機関の集積や、力を持った企業集積など比べようもないのは確かです。

 しかし、小規模といえども、ロボット産業を核とした、産業施策において、冒頭掲げた1、2、3については参考となる点も多いと考えます。

 大和市においては中少企業等に対するロボット導入補助金制度は既に行われていますが、より積極的に1、2、3の施策を大和市の実情に合わせて検討すべきであることを強く感じました。今後の私の研究課題とします。

 

 次に福津市のコミュニティ・スクールを視察しました。

福津市は、子どものより良い学びや育ちを支える学校・家庭・地域が連携、共働して取り組む教育活動の充実とともに、学校を核とした地域づくりの視点を取り入れたコミュニティ・スクールの充実・深化を目指しています。

 言い方を変えれば、「地域とのかかわりの中で郷土愛を育み、地域の将来を担う子ども達を育て。循環型の地域社会づくり」が目標であり、様々な地域ボランティア活動などへ、子ども達が積極的に参加しています。また公益活動などの体験などにも参加しています。

 「徳育」を重視することによって、学力も向上したとのことです。

しかしながら、このコミュニティ・スクールを実現するためには、学校、家庭、地域の理解と連携が不可欠であり、実現の壁が高いとも感じました。地域とともにある学校づくりへの理解を得ることや、住民ボランティアによる「郷育カレッジ」などの地域側協力体制も不可欠です。大和市でもできる「徳育」の在り方を模索することから始めることかなと感じました。

 最後に、アクシオン福岡を視察しました。この施設はスポーツ科学情報センター、総合プール、総合射撃場など県立の施設です。これら施設を指定管理者として「公益財団法人 福岡県スポーツ振興センター」が運営しています。

 スポーツ科学情報センターは、メインアリーナ、サブアリーナ、研修室、会議室、宿泊室、健康体力測定室、トレーニング室などの施設内容となっています。

 特徴的なのは、「タレント発掘事業」で、子ども達の運動能力を見極め、様々なスポーツの実践を通して、将来トップアスリートを育てるプログラムです。小学生4年から中学1年生までを対象に、現在では年間5万人が1次選考会に参加しています。既に多くのトップアスリートを輩出しているとともに、受講生の体力測定結果の通知などを通じて、子ども達の体力作りや健康づくり、父兄や学校関係者の意識変革にも寄与しているとのことです。

 同財団は、他に研修事業、スクール事業や様々な学校スポーツなどに関する情報提供事業などを行っています。特にfeweb(福岡スポーツウェブ)は興味深いコンテンツが掲載されており、一見の価値ありです。

 大和市でも、児童の健康測定などの結果を診断するソフト提供などを受けて、実施することが考えられます。福岡県にある一部測定器具が、大和市ですぐには用意できないことの制限もあるかもしれませんが、検討に値すると考えます。

 

 以上は今回の行政視察の概要のご説明となりますが、内容についてのお問い合わせがあれば、是非お願いいたします。