都市のスポンジ化
先週末に大和市の街づくり計画部にお伺いし、このブログでも再三取り上げている谷戸頭の空き家について、土地所有者に文書だけで適正管理をお願いするだけでは効果がないので、直接会って依頼する段階にあることと、現状の進展状況を確認してきました。当該空き家に関しては、まだ直接会う段階に至っていないようですが、大和市でも最近、土地所有者に直接会って、適正管理をお願いする対応を徐々に始めたようです。早く当該土地についても対応をお願いしてきました。
ところで「都市のスポンジ化」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉は知恵蔵によると、「都市の内部で空き地や空き家がランダムに数多く発生し、多数の小さな穴を持つスポンジのように都市の密度が低下すること。都市のスポンジ化の進展は、サービス産業の生産性の低下や行政サービスの非効率化、地域コミュニティーの存続危機、治安や景観の悪化などにつながり、都市の衰退を招く恐れがあると懸念されている。」とあります。
私の6月議会でも「空き家」問題を取り上げて一般質問しました。また、このブログでもご紹介しましたが、つきみ野自治会からの要請で、つきみ野でのスポンジ化について勉強会の講師としてお話してきました。
つきみ野でお話した内容は、
0.現状把握(とにかく地域の実体)
・空き家、空地の管理状況、空き家、空地となった時期
・空き家等の土地所有者情報
・土地売買事例
・地域内の戸建て住宅の敷地面積
・新たな開発状況(従前敷地面積、開発後敷地面積等)
・地区計画、建築協定のエリア、エリア内戸数と敷地規模
以上の現状把握の上で、「エリアマネジメント」の考え方の重要性をお話ししました。
具体的には
Ⅰ.新たな基準敷地面積の議論
①現状把握から得られた空き家、敷地面積、開発状況、土地売買事例などを総合的に分析
②他地区事例(東京の荻窪等の高級住宅街等の敷地面積と街並み事例、環境維持方策等)
③地域内の地区計画、建築協定等の内容、エリア内地権者意向などのアンケート調査等
以上の結果を踏まえて、新たな基準敷地面積の議論、場合によっては地区計画、建築協定の変更や自主ルールの設定
Ⅱ.街づくりイメージ、導入機能
①どのような街を維持し、どのような街に誘導していくのか⇒どのような土地利用が望ましいのか
②高齢者の居場所づくり、学生のシェアハウス、NPO事務所など街のイメージにふさわしい導入機能、導入施設の議論
③住民でのまちづくりイメージ共有
Ⅲ.所有者等の相談、民間事業者とのマッチング
①空き家が出来た時に所有者との相談に乗って対応策の提案(行政とも連携)
②建物を一定期間空き家とする場合や取り壊す場合に、防犯上の措置や連絡先の提出などのルール化
③民間不動産業者とも情報交換(行政とも連携)し、導入を期待する事業者、関係団体への呼びかけ、マッチング
また、つきみ野地域のブランドイメージを活用した地域活性化戦略もあるのではないかとお話ししました。
また大和市行政側に対しては、
①大和市内の空き家実態調査の実施
・厚木市で132戸の空き家。しかし実態調査したところ755戸の空き家確認。桜ケ丘の自治会でも300戸中11戸の空き家。うち適正管理されていない戸数5戸。(市では83件のうち1件のみ登録)
②土地所有者の意向確認
・現在は、適正管理されていない土地所有者を検索し、文書で適正管理の依頼しかしていない
・土地所有者を訪問し、保有、売却、賃貸等の意向確認
③特定空き家、迷惑抑制から有効活用へ
・ストック活用の時代であることを認識し、住宅確保要配慮者の入居
・有効活用に向けた不動産業界との連携拡大
・将来間違いなく悪化する行政課題は早めに手を打つ必要
・空き家対策は、様々な地域課題とリンクして考える必要
など、6月議会で質問した内容を要約してお話ししました。
今後は、地道な議論の積み重ねが重要と考えます。