6月定例会一般質問

 21日の午後3時15分から登壇し、一般質問しました。その質問内容と意見・要望を掲載します。少し長いですが読んでくだされば幸いです。

<質問>
これまで部分的に桜ヶ丘のまちづくりに関連する質問項目を入れたことはありますが、大項目として取り上げることは初めてですのでよろしくお願いいたします。
桜ヶ丘地域は皆様ご存知のように、駅前での賑わいは、大和市内の8駅の中で、最も活気のない地域と言われており、また周辺地域は高齢化率が高く、空き家率も高いのではと考えます。このような桜ヶ丘地域を活性化させるためには、丸子中山茅ケ崎線拡幅事業に合わせまちづくりの促進や、地域振興につながる鹿島建設用地の開発誘導、商店街の活性化など様々な課題があります。ご承知のようにまちづくりは、その成果が目に見えるまで多くの時間を要します。そんな中で、5月27日は晴天の中で第1回の桜ヶ丘駅前朝市が開催されました。私も関係者の一人としてこのイベントに係りましたが、おかげさまで成功裏に開催することができました。皆さんにお叱りを受けましたが、販売開始後30分程度ですべての商品が売り切れる店が続出するほど活況でした。桜ヶ丘にこんな多くの人出があったのを初めて見たとおっしゃる方々も多く、これも神奈川県や市長および関係部など大和市のご支援や関係者の皆様の努力の賜物と、このイベントに係った一員として、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。活気のない桜ヶ丘でも仕掛け次第で何とかなるという感触を得たことだけでも大きな成果だと思います。
そのような桜ヶ丘において、時間は掛かりますが、最も重要なまちづくりについて質問します。市長および関係部長におかれましては丁寧な答弁をお願いします。
それでは最初にまちづくりに対する取り組み姿勢について私が考える重要な視点を述べさせていただきます。
1番目の視点として、まちづくりの方向性については、想像力を意味するイマジネーション、洞察力を意味するペネトレーション、創造力を意味するクリエーションの3要素を働かせながらまちづくりの方向性を組み立てることが重要と考えています。これらの要素は特に行政側に求められるものではないかと思います。将来を見据えて、地域が現在の状態に置かれたままの場合、どのような状況となるのか。あるいは、3要素を考慮して、必要なまちづくりを行うことにより、どのような地域が形成されるのかを常に考える習慣をつけることが、まちづくりに携わる行政マンとして求められることだと考えます。
2番目に小さな部分を住民の利便性や安全性確保、居住環境の快適性や景観配慮などの視点から積み上げて全体に繋げていく姿勢が重要と考えています。普通は先程述べたまちづくりの方向性に沿って小さな部分を積み上げていくことも考えられますが、部分から全体へという考え方もあると思います。また、従来から建築の世界では、「神は細部に宿る」あるいは「ディテールに宿る神」ということがよく言われます。都市においても同様に住民の利便性、安全性、快適性などの視点からディテールに注意を払った積み重ねが、素晴らしいまちを作っていくことになると考えます。
その意味で今回は丸子中山茅ケ崎線の拡幅に伴う周辺整備において小さな部分の改善、丁寧な作り込みなどについて質問します。
3番目に重要なのは、地域住民との協働です。協働におけるまちづくりは、近年多くの自治体で取り入れられている考え方です。大和市のマスタープランにおいても協働によるまちづくりを掲げ、 「市民、事業者、行政が将来の都市像について共有し、まちづくり の目標や道筋に関する共通の理解を深めていくことで、それぞれの主体が役割分担して進める協働のまちづくりが実現すると考えています。」と記述しています。
 具体的には、市民の役割として、市民の視点を生かし、市民自身が地域のまちづくりに参加し、地域の課題を話し合い、まちづくりに関する提案などを求めています。
事業者の役割としては、まちづくりへの参加、地域の住環境と調和した土地利用や開発にともなって起こる様々な課題への対応、周辺環境への配慮や環境保全、景観 まちづくりへの協力などを掲げています。
行政の役割としては 市民の主体的なまちづくり活動の尊重、市民の発意によるまちづくり活動の支援、まちづくりに関する情報提供、主体となって進める土地利用誘導や都市計画事業について、マスタープランに沿った計画的なまちづくりの推進などを掲げています。 この協働については、大和市の「みんなの街づくり条例」によって担保されています。
以上を踏まえて中項目1として、大和市のまちづくりの基本的考え方についてお聞きします。最初に小項目1として、大和市におけるまちづくりの基本姿勢についてお聞きします。市長が従前例えていらっしゃいましたが、鳥の目、虫の目などの観点も含めてまちづくりに対する基本姿勢をお聞かせください。
小項目2として、拡幅事業を契機として、住民側としてもより良いまちづくりを実現したいと考えていますが、協働の立場からこのような取り組みに対する市の姿勢をお聞かせください。
次に小項目3として地区内道路の改良、改築についてお聞きします。大和市として都市計画道路の整備が優先されることは当然と考えますが、都市計画道路でなくとも、大和市内では、安全性、快適性などで地域住民の要望が高い、あるいは緊急度の高い地区内道路の改良、改築も必要な個所が多いのではないかと考えます。
幸い道路面の補修やミラーの設置、道路標識設置などは細かく対応して頂き、感謝する次第ですが、さらに都市計画道路でなくとも、危険度の高い個所の解消や利便性の大きくなる地区内道路の改良、改築など部分的な道路整備にも取り組むべきと考えますが、市の考え方をお聞かせください。
次に中項目2として、具体的な質問に移りますが、最初に丸子中山茅ヶ崎線拡幅に伴う課題についてお聞きします。従来は県の事業として拡幅事業の進捗に関心が注がれてきました。しかしながら、拡幅事業の完成が近づきつつある現在の段階では、そろそろ真剣に道路整備と併せて、周辺の市道、私道、景観、周辺のまちづくりとの連動、ディテールとしての沿道空間など様々な課題に細かく目配りしていく必要があると考えます。このような小さな部分を拡幅事業と合わせて住民の利便性や安全性、快適性などの視点からとらえて、改善し、丁寧な作り込みなどを行う必要があります。
このような取り組みは、大和市においても県と協議を進めながら進めていることと思いますが、今回の一般質問で改めてお聞かせください。
そこで、図1の事業区間の東側、及び裏面の図2の事業区間の西側を参照して頂きながら質問させていただきます。図面は大和市の道路網図を拡大しているため、不鮮明な図となっていますが、これからお聞きする中項目2の小項目ごとの場所と、中項目3、中項目4を示しています。
最初に小項目1として、バザールの商店と歩道との段差についてお聞きします。バザールの商店の前のスペースが歩道の拡幅に伴って狭くなります。さらに高低差のための階段が従前通りだと、さらにスペースが狭くなり商売に支障が生じる可能性があります。この段差解消をどのようにするのか県と地元関係者と話し合っているとのことですが。当然、県の事業であり、このような民間と県との交渉においては、市として直接関与できないことと思いますが、少なくとも状況把握することは必要と考えます。そこでお聞きします。この空間処理について市は、どのような状況であると認識しているかお答えください。
小項目2として、坂の途中にかまくら道であったとする説がある市道が入っています。上和田49号線と上和田99号線です。北側から丸子中山茅ケ崎線を横切って、佐馬神社の横に抜ける道路ですが、この市道は道路拡幅に伴って切り下げられますが、市は段差がどの程度となると認識しているのか、また拡幅後の市道の取り扱いをどのように考えているのかお聞かせください。
小項目3として、佐馬神社横の久田山谷線(くでんさんやせん)、光ヶ丘久田線の歩道整備についてお聞きします。この道路は現在のかぎ型の線形から直行する形で改良されます。直行する形状になれば現状よりも交通量が増えることは想像されます。しかし、この道路が通学路になっていますが、歩道の整備は計画されていないようです。この歩道整備については、地元自治会なども再三要望していますが、前向きな回答はないようです。また桜丘小学校の方々とも話し合いの場を持ちましたが、歩道整備を熱望しています。現在の計画では、光ヶ丘久田線の旧道部分が歩行者だまりとなり、それが途中で切れてしまうため、児童は途中で横断歩道でなく車道を横断することになり、非常に危険です。せめて交差点から久田自治会館までの光ヶ丘久田線の40メートルほどの区間の歩道整備を行うべきと考えますが、市の考えをお聞かせください。
小項目4として、中原街道拡幅に伴い行き止まりとなる市道上和田83号線および私道がありますが、残地などを活用して車がターンできる空地を設けたらどうかなどを厚木土木事務所東部センターに提案しています。この市道および私道が行き止まりとなることについて、市としてどのように対応するのか市の考えをお聞かせください。
なお、図2の右下に示していますが、谷戸頭から丸子中山茅ケ崎線に出る歩行者動線として、変更後の道路線形を歩くのでなく、直接歩道に出られるようにお願いしていますが検討して頂いています。
小項目5として、旧小林酒店から移設する信号で桜丘小学校に通う生徒が丸子中山茅ケ崎線を横断することになりますが、信号を渡った先に梨畑沿いに市道上和田73号線があります。この道路が実質的な通学路になる可能性がありますが、通学路に指定する場合は、道路沿いの住民の同意が必要となり、すぐには指定できない可能性もあります。住民同意は学校側や地域住民の側の問題ですが、仮に住民同意が得られた場合は、道路環境整備など市の役割も出てきますが、その点に関する市の考えをお聞かせください。
小項目6として、丸子中山茅ヶ崎線の景観と快適性向上について質問します。拡幅後の歩道空間や周辺の土地利用が美しく整ったら素晴らしい空間が期待できます。そのため、電線の地中化、植樹などが整備されれば素晴らしい歩道空間となります。これらは県事業の範囲内ですが、沿道の景観ガイドラインが設定されれば地域イメージが大幅に向上します。
これに関連する取り組みとして大和市には景観条例があり、景観形成方針も示されています。これも協働による地域側の地権者同意など自主的な計画立案が前提となりますが、丸子中山茅ケ崎線の拡幅に伴って沿道の景観形成をイメージした上で、景観形成方針にもとづく市の役割及び手順をお聞かせください。

小項目7として、旧小林酒店の前の道路部分が、道路勾配解消のために50センチ程度嵩上げされますが、嵩上げに伴って、周辺地域が雨水などにより冠水するのではないかという住民の不安の声をよく耳にします。そこでこの雨水処理の対応策についてお聞きします。併せて、このような住民の不安を解消するために丁寧な説明が必要と思います。県の事業に関連するので県が住民に対して説明するのが基本と考えますが、市の責務としても住民への不安解消のための広報活動などの役割を果たすべきと考えますが市の考えをお聞かせください。

 小項目8として、国道467号線と丸子中山茅ヶ崎線の交差部の横断方式についてお聞きします。警察との協議が整った計画内容によると、東側は歩道橋を設置し、平面横断は設けず、西側は平面の横断歩道とし、高齢者でも渡れるように信号の長さを調節するとのことです。これも県事業の範囲ですが、特に地域住民、とりわけ高齢者にとって影響が大きいので質問として取り上げます。
 この計画内容が明らかになった段階で、地元の方々から高齢者にとって、スロープであっても歩道橋を利用しないし、大いに不便になるとの声が多く聞かれます。また、歩道橋でなく道路中央に避難帯を設けて、平面歩道とすることも提案してきました。しかし、この交差点を利用する多くの住民に対する十分な情報提供も説明もなく、突然警察協議が整った形の現計画が示された感があります。もちろん促進協議会で熱心な議論が行われており、広報活動も行われていますが、横断方式の詳細については、十分な情報提供が行われていないと考えます。
そこで質問します。県主体の決定プロセスではありますが、もう少し地域住民の幅広い声を聴いてから計画を策定すべきであると考えますが、市はこの点に関してどのような見解をお持ちでしょうか。
また、現計画内容に関する評価もお聞かせください。

次に中項目3として連続立体交差方式についてお聞きします。
今年の1月10日の日経新聞と神奈川新聞の記事によると、相模鉄道本線の西谷駅から二俣川駅間のうち2.7キロを地下化する方針を固めたとあります。総事業費が高架化で580億円、地下化で740億円と試算していますが、追加の線路横断策を講じずにすべての踏切を除却できる、工期が7年も短い、地下化のほうが今後のまちづくりの自由度が高まる、地域の利便性や安全、安心確保、周辺の道路整備や沿線の民間開発誘発などの効果を期待して地下化に決定したとのことです。
一般的に今までのB/Cの計算方法では、コストとしての工事費を分母とし、ベネフィットとしての時間短縮効果のみで計算すれば、おのずと工事費の低い高架化が有利となります。しかしベネフィットには、時間短縮効果以外に地下化されたオープンスペースを使った公園的利用、眺望の確保、鉄道騒音の軽減などのベネフィットやイベントを始めとした様々な経済効果も期待できます。さらに横浜市の判断材料として掲げられた様々な行政効果も期待できます。
連続立体の交差方式については、前回の検討から10年近く立っているので、改めて交差方式を検討することになると考えますが、その際に新たに工事費等を積算しなおすべきだと考えています。
ここで誤解のないように改めて私の考え方を述べさせていただきますが、現時点で絶対に地下化で行うべきだということを決め打ちすることは考えていません。きちんと最新のコスト、先ほど述べた様々なベネフィットを詳細に把握し、公正に判断するための材料を提供して頂きたいということをお願いするものであり、それ以上でもそれ以下でもありません。
そこで質問します。
小項目1として、県に対し、高架、地下などの鉄道工事に必要な事業費、さらに用地買収費や周辺市道等の整備に必要な事業費など詳細な工事費の積算根拠を明示していただきたいと考えますが、市の考えをお聞かせください。
小項目2として、新たにB/Cを試算する場合、時間短縮効果以外の地下化に伴うベネフィットも付け加えて検討すべきと考えますが、県に対して市も申し入れて頂きたいと考えますが、市の考えをお聞かせください。
小項目3として、横浜市で行政効果を勘案して地下化を決定しましたが、大和市においても高架、地下の両方式の行政効果を検討、比較すべきと考えますが、考えをお聞かせください。
 最後に中項目4として、連続立体に伴うまちづくりについてお聞きします。
つい最近ですが、大和商工会議所の神奈川県に対する質問書への回答が届きました。その中で、連続立体に伴うまちづくりについては、「小田急江ノ島線桜ヶ丘1号踏切の立体交差の事業化については、まずは大和市が主体となって、地元と調整しながら桜ヶ丘駅周辺におけるまちづくりを検討して頂く必要があると考えています。」と記述されています。
 そこで質問します。
小項目1として、市ではこの県の回答に対してどのように考えているのでしょうか。
小項目2として、連続立体の事業化方式について市が主体で検討するのか、県が主体で検討するのか、どのように考えているのかお聞かせください。
小項目3として、連続立体の事業化方式が決まらないなかで、高架、地下両方の場合のまちづくり計画を検討し比較検討することにより、どちらの事業化方式のほうが良いのかという判断が早まることも考えられますが、市の見解をお聞かせください。

 

<意見・要望>
 桜ヶ丘のまちづくりについては、市長の前向きな答弁がありました。誠に心強い限りです。この前向きな答弁を期待しつつ、いくつかの意見、要望を述べさせていただきます。
 中項目1のまちづくりの基本的考え方については、丸子中山茅ケ崎線の拡幅事業に伴い、改良が必要な市道や安全対策が必要となる場合は、県と協議して進めるとの答弁でした。是非とも住民の側からの要望や視点を大事にしながら協議を進めていただくことを要望します。
 中項目2の小項目1と小項目2についても、同様に住民の立場に立って、現状機能を図るよう県との協議を進めることを要望します。 
小項目3の光ヶ丘久田線の歩道整備については、歩道はつけられないが、歩行者対策は実施するとの答弁でした。できれば 僅かな区間ですので、歩道整備をお願いしたいところですが、完成後の通学児童などの状況をみながら弾力的な事業対応を要望します。
 小項目4の行き止まり道路については、今後の県との協議内容に注視したいと思います。
小項目5の通学路の指定変更があった場合は、隅切りや信号など主に道路管理側で対応可能な様々な通学路交通安全プログラムがあると理解しました。しかしながら、今回の大阪北部地震にもあったように通学路沿いのブロック塀の倒壊の安全性チェックも必要です。横須賀市では早速2日間で通学路沿いのブロック塀の点検調査を行ったようです。その結果、安全性に問題がある民間土地のブロック塀が存在しても、改築スキームなどは明確でありません。既にブロック塀などの倒壊危険などへの対策の議論が高まっており、学校などの公共施設は当然ながら、通学路沿いの民間所有地の危険なブロック塀改築やそのスキームの検討も進めることを要望します。 
 小項目6の景観形成については、現状の手順などの丁寧な説明がありました。景観形成の取り決めを行うには、自主的な地域の人たちの合意形成が必要ですが、このような自主的な活動に対する支援を期待します。また、丸子中山茅ケ崎線の歩道については、高齢者用の椅子などは設置しない方向のようですが、植栽帯などがあればこの一部を活用して、歩行空間を狭めない範囲で座れる場所の確保を県に要望することを期待します。
 小項目7の市道の雨水対策については、現状機能以上の対応策が実施されるとのことであり、具体的な排水施設の構造については、県と協議するとの答弁でした。また周辺住民への周知については、ビラなどで対応するということでした。是非とも丁寧な説明や周知を要望します。
 小項目8の国道467号線との交差点における横断方式については、いまだどのような計画内容か把握していない方々が多いように感じます。特に影響の大きいのは、桜ヶ丘駅へのルートでこの交差点を利用する住民が多い、桜ヶ丘自治会や、親和会自治会、谷戸頭自治会です。このような周辺への住民の意見や要望をさらに幅広く聞き、また説明や周知を徹底することを県に申し入れることを要望します。
中項目3の連続立体交差方式については、県が主体的に決めることではありますが、大和市に期待することは、先入観なしにフラットに比較検討することと、短期的な視点でなく大和市の行政効果など中長期的視点で検討する視点を持って取り組んでいただくよう要望します。
中項目4の桜ヶ丘のまちづくりについては、意見要望の冒頭に述べたように、市長の力強い答弁がありました。今後は私以外の地元議員の方々も含めて、あるいはまちづくりの協議会活動などを通じて、協働の考え方に沿って市民提案などを行っていきたいと考えます。
今回の一般質問では、気が付いた範囲内での問題点などについて質問しましたが、まだまだ多くの課題があると思います。今後も継続的に関係部局と相談していきたいと考えます。
大和市においても桜ヶ丘のまちづくりに真摯に取り組むことを期待して、渡辺伸明の一般質問を終了します。