3月議会の一般質問

3月議会での一般質問を掲載します。今回は大項目として、「民間活力の活性化と活用」のテーマでした。

Ⅰ.質問内容

1.第3世代の民間活力活用について

・従来型の民間活力活用に対して、新たな発想の民間活力活性化と活用に取り組むべき。

・新たな民活の考え方としては、1番目として、公共施設建設を前提としないこと。2番目として、施設建設の場合は民間施設の新規建設誘導を行うための施策や制度等を徹底的に見直すこと。3番目として、既存施設を活用する場合は、行政目的を終えた施設を活用する公設民営方式、民間の空き店舗、空き家、企業施設などを利用する民設公営、同じく、空き家、空き店舗などの利用を促進する民設民営を前提とすること。このように徹底的に既存ストックを活用することを前提とすること。4番目として、市は地域の潜在力や志の高い地域活動をくみ取る努力を積極的に行い、地域活動を活性させること。5番目として、市はソフトな施策や支援策を中心とすること。

・以上の考え方に関する市の見解を質しました。

2.大和駅周辺のまちづくりについて

①大和駅周辺地域のまちづくりも基本的考え方

・1番目に、歩行者動線での快適な回遊性を高めるネットワークづくりを大切にしたまちづくりです。ネットワークには駅やにぎわい施設などの結節点(ノード)として、ノードをつなぐ道路、歩行者動線等(リンク)をつなぐ回遊性、ノードからリンクに至るわかりやすさを高める取り組みが必要です。

・2番目は、自動車交通の動線のわかりやすさ、利便性向上です。まちなかにある分散的な駐車場の集約化による自動車進入の抑制や目的地近辺にたどり着ける安全でわかりやすい道路ネットワークは不可欠です。

・3番目に、地域としてのアイデンティティーに着目したまちづくりです。リンク沿いの特徴あるまち並みは重要なアイデンティティーです。当然ノードとしての結節点も重要なアイデンティティーの対象です。以上の観点から大和駅周辺を眺めると、大和駅周辺におけるまちづくりは以下の点の取り組みが必要と考えます。

②大和駅周辺まちづくりにおける提案

・1番目は、大和駅を結節点として、重要なノードとしての文化創造拠点に至るリンク沿いのまちづくりです。銀座通り商店街や昭和通り商店街のほとんどの建物が主要な歩行動線であるプロムナードに背を向けたままです。また、来街者に立ち寄る魅力を提供する物販、飲食も不十分と考えています。基本的に敷地が細分化されている状況を考えると、敷地の統合等を促し、容積率を緩和するための都市計画提案制度を利用して、高度利用地区計画制度やまち並み誘導型地区計画制度、用途別容積型地区計画などを地権者に説明して、建てかえを促す取り組みが必要と考えます。これは、大和駅周辺に限らず、駅周辺まちづくりにおいても検討すべきであると考えます。

・2番目に、大和駅周辺に新たな業務機能を融合、集積させる取り組みも必要と考えます。例えば国道沿いの相鉄所有の大規模用地を相鉄に働きかけて、プロジェクト創出も考えられます。御承知のように平成31年4月に相鉄線が日吉まで延伸し、大和駅から新横浜や渋谷まで直結します。このポテンシャルを生かした業務中心の複合開発の可能性を探るべきと考えます。

・3番目に、大和駅からの重要なノードの一つである引地台公園に至るリンク沿いのまちづくりです。せっかくアイデンティティーある歩道を整備してあることから、周辺地域のまちづくりとして、例えば保健所や横浜地方法務局大和出張所などを大和警察の北側公園などに移転し、官公庁街としての機能集積を図るとともに、業務機能の移転受け皿のまち並み形成を図ることも考えられます。また、現在の公園、保健所等が立地している公園につきましても、新たな魅力ある再整備を図るということも可能であると考えております。

・4番目に、自動車交通のネットワークとして、南北をつなぐ大和駅西線の整備も必要と考えます。大和駅周辺を考えてみますと、東西南北の中で西側の南北の軸線としての大和駅西線がかなり狭隘、狭い道路で、電柱等が突き出して、自動車交通にとっては非常に不十分な動線という形に認識しております。

・5番目に、大和駅を起点とした歩行者動線の回遊性に乏しいことも大きな課題と考えます。現在、放射状に拡散する歩行者ネットワーク構造となっていますが、主要なノードの間をつなぐ魅力的で快適な回遊性の高い歩行者ネットワークの形成も必要です。

3.自治会等の地域活力の活用について

・1番目に地区社協の活動の現況に関して、ボランティアでの対応も限界に近づきつつあると思いますが、そのような地区社協の活動に関する今後の見通しについてどのように考えているのでしょうか。

・2番目に現在検討中の高齢者生活支援サービスのための拠点づくりについて、生活支援サービスについて協議や検討、研修を行う地域の拠点づくりを進めるとのことですが、その拠点の機能は高齢者支援に限定しているのか、また、拠点は常設を考えているのでしょうか。さらに、拠点の設置には民間施設も活用する可能性があるとしていますが、その際は空き店舗等の民間施設が対象となると考えますが、その場合は市が賃貸するのでしょうか。

・3番目に高齢者の生活支援サービスの一つとして重要な高齢者の居場所づくりにおいて、民間施設を地域が直接借り上げるなどの民間の主体的取り組みを活用することは考えているのでしょうか。また、高齢者の居場所で、相談を受け個別支援を行うなど複合的な活動を市の事業やサービスとして位置づける可能性があるのでしょうか。高齢者支援サービスを行う担い手として有償ボランティアの活用を考えているのかについてもお聞かせください。さらに、居場所づくりや個別の高齢者支援サービスなど、民間の主体的取り組みに対して一定額の支援が必要と考えますが、この点についても市の見解はいかがでしょうか。

・4番目に市の働きかけにより、新たな自治会活動として災害時の避難生活施設運営委員会が立ち上がったことはすばらしい成果と評価します。しかし、その際の印刷代、切手代等の通信費などは個人の持ち出しとなっているのが実態です。実費相当分を自治会負担として正式に依頼するのか、あるいは運営費用の一部を市が負担するのか、市の考え方をお聞かせください。

 

Ⅱ.答弁内容

・1の第3世代の民間活力活用については、質問内容が充分に理解されていない答弁結果となりました。

・2の大和駅周辺まちづくりに関しては、原則論にとどまり、残念ながら前向きな回答は得られませんでした。

・3の自治会等の地域活力の活用については概ね前向きな答弁内容でした。

 

Ⅲ.意見・要望

・全体を通して要望したいことは、大項目にあるように、財政制約が大きくなる社会状況の到来を見越して、既存の公共施設や民間施設を活用したり、民間投資を誘導する施策を意図的に集中して行うことと、民間や自治会組織などを活性化し、これを活用して、より高い時限での協働を実現することです。その際は、市は地域の潜在力や志の高い地域活動をくみ取る努力を積極的に行い、これを育て、地域活動を活性化することに真摯に取り組むことを要望します。また、その後は支援する立場に徹して、徹底的に民間に活動を委ねる姿勢が重要と考えます。

・大和駅周辺まちづくりに関しては、大和駅周辺を活性化させるために、夜間人口の増大のみでは不十分と考えます。新たな文化創造拠点開設にあわせて、さらなる活性化の取り組みが必要と考えます。そのため、例えば相鉄グループに働きかけて、相鉄グループの本社機能を誘致するなどの懸命の取り組みをしてはいかがでしょうか。 さらに、自助努力を前提することは当然と考えますが、今後より一層、社会資本整備総合交付金やその他の活用可能な制度など、国の補助事業等を活用して、市が中心となって大和駅周辺の具体的なまちづくり計画のもとに、地域活性化への取り組みを行うことを要望します。

・自治会等の地域活力の活用に関しては、大和市高齢者生活支援サービス構築研究会の検討成果に大いに期待するものであります。今後の検討においては、関係する地区社協、民生委員、地区包括支援センター、NPO法人などの役割分担については明確に制度設計することを要望します。その上で、実際の運用については柔軟、弾力的な対応を期待します。

・また、高齢者生活支援サービスの具体的な担い手や主体をどのようにするのか、その際は、有償とするのか、ボランティアを原則とするのかも、地域の実情に応じて検討するとの回答でした。この点についても柔軟な対応を要望します。また、千本桜の地域コミュニティーにおける常設のふれあい見守り事業、居場所づくりにおいても、平成29年度に移行を予定している総合事業における明確な位置づけを期待します。