アイルランドをどの程度知っていますか?

 アイルランドという国について、今まであまり詳しく知りませんでした。

でも23日の夕方から「過去・現在・未来を語る」と題した駐日アイルランド特命全権大使のアン・バリントンさんの講演会が横浜であり、聞いてきました。

 まず、基本的なことですがアイルランドは、ケルト人が中央アジアの草原から、拡大するローマ帝国中央ヨーロッパゲルマン民族に追われるように大陸の西へ移動し、西暦400年ごろにケルト社会を形成していたとのことです。

 その後、ヴァイキングイングランドに支配されていましたが、1922年にイギリス連邦下のアイルランド自由国として建国されました。

 現在は人口が約460万人、65歳以上人口比率が17%(日本は27.3%)、出生率は1.95(日本は1.44)です。平均年収は約720万円と日本の約1.8倍です。

 平均年収が高いということは、当然国民1人当たりのGDPが高いわけですが、1990年代に入ると「ケルトの虎」と称されるほど、アメリカのIT企業の投資などによりアイルランド経済初とも言われるほどの経済的な活況を呈した結果です。なおEU加盟国です。

 以上が簡単なアイルランドの紹介ですが、講演会で分かったことを纏めると以下のようになります。

アイルランドは、ケルト社会を形成していたが、今では全世界でケルト族は約7,000万人が移民していて、各国で様々な人脈を形成している。ユダヤ民族と対比されることも多いが、共通点としては母国を出て活動しているが、母国に誇りと愛着を持っていることが挙げられる。

小泉八雲アイルランド人で、他にも文学、音楽など日本との交流や係わりも多い。

法人税は12.5%と低く、個人の所得税は35~48%である。

④英国のEU離脱により、金融セクターはどこにシフトするかまだ分からないが、アイルランドに来る可能性もある。

⑤英国のEU離脱は、移民、住民のコントロールが不十分なため、国民のストレスが大きかったのではないかと考える。アイルランドは職がないと移住を認めない政策を取っている。

⑥英国のEU離脱で却ってEUの結束が固まった。

などなどです。

 

 EU側から見ると、中国は自国の都合優先で約束をいきなり反故にすることがある。その点で日本は信頼がおける。是非ともアイルランド、さらにはEUと日本との経済、文化の交流、連携が深まることを期待したい。という言葉で締めくられました。

 自分にとっては新たな発見のある講演会でした。