地域活性化事例①(藤野;芸術の道)

 地域活性化事例として、これから様々な事例をご紹介したいと思います。なお、内容についてはヒアリングしていないので、あくまでも私の主観、印象のみの記述になります。従って事実と異なる記述や見落としていることもあることをあらかじめご了解ください。

 最初に相模原市の藤野の芸術の道をご紹介します。文献などによると昭和61年に「藤野ふるさと芸術村構想」の理念が提唱されて、最初は神奈川県や旧藤野町などの行政と、観光協会、各種団体、スポンサー企業などが中心となって、事業の企画、運営を行ってきたとのことですが、現在は主体が市民や在住芸術家へと移行し、市民自らが事業の企画、運営を行っているとのことです。

 私も様々な地域活性化に取り組んで来ましたが、これは理想的なプロセスであると考えます。当初の行政主導から市民・住民主導へのプロセスが実現することはそれほど多くありません。

 現在の藤野地区は芸術村にふさわしい様々な施設が存在し、様々なイベントが行われています。また、芸術を志す人々以外に、緑豊かな環境にひかれて、農業を基本に自然と共存する永続可能なライフスタイルを目指す人々も移住してきているようです。地域の方々や新たな移住者により様々な取り組みやイベントも行われています。

 そこで今回、芸術村の主要事業として行われた「芸術の道」と「神奈川県立芸術の家」、2010年にオープンした「ふじのアートビレッジ」に行ってきました。

 芸術の道は、約30点ほどの彫刻やオブジェが道路沿いに点在し、2時間ほど歩いて見て廻りました。いずれも意欲的な作品で見ごたえがありました。しかし、残念なことに、平日のせいだったかもしれませんが他の見学者には会いませんでした。

 また、作品群も経年劣化で塗装が剥げていたり、作品案内板に苔がこびりついていたりでメンテナンスが良くありませんでした。

 神奈川県立の芸術の村は平日ですが団体の利用者が利用していました。ふじのアートビレッジは土日が出店者も多くなるようで、行った日は平日なので客が多くありませんでした。

 以上、駆け足での見学でしたが、独断で整理すると以下のことが言えるのではないかと思います。

 第1に理念に基づいた地域振興が30年以上にわたって継続していることに素晴らしさを感じます。さらに繰り返しになりますが行政主導から民間主導へとリレーされていることは、これもまた素晴らしいことだと感じました。 

 第2に芸術の道の彫刻、オブジェのメンテナンスを日常的に行う仕組みづくりが必要と感じました。最近は話題性にも欠けているのではないでしょうか。ハードは一度完成した後、常に新たな話題性を提供する継続的な取り組みが必要と考えます。そのためにも数年に一度は改たな彫刻やオブジェを地元在住の芸術家から公募することや、芸術の道に関連するイベントなどを行うなどの話題性提供が必要なのではないかと感じました。

 ふじのアートビレッジは土日に再訪したいと思います。

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001136j:plain

芸術の道に隣接した蕎麦屋

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001313j:plain

オブジェ

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001344j:plain

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001406j:plain

目玉が見える

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001438j:plain

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001455j:plain

一部塗装が剥げている

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001526j:plain

苔で汚れた表示板

f:id:WatanabeNobuaki:20190708001615j:plain

住みたいと思うような住宅