ガウディに会えた!

 私は理工学部建築学科卒です。建築設計を行うことが夢でしたが、学部4年間でデザインセンスがないと判断して、大学院では知識のストックで勝負できる都市工学を専攻しましたが、建築デザインへのあこがれは常に抱いていました。そんな建築家の中で「アントニオ・ガウディ」は別格の存在で、長い間の憧れでした。
 そのガウディの建築作品に会いに行くため、10月1日から8日までスペインに行ってきました。
スペインは正味5日間の旅でしたが、ガウディ以外に見どころ満載でした。印象に残っているだけでも、マドリッドプラド美術館、郊外の世界遺産のトレド、イスラムの首都だったコルドバなどは見応えがありました。
 そんな中で、グラナダアルハンブラ宮殿バルセロナのガウディの作品であるグエル公園カサ・ミラ、サクラダ・ファミリア、コロニア・グエル教会をご紹介します。
 スペインを含むイベリア半島全体が711年にイスラム教徒の侵略によりイスラム文化圏となりました。その間アルハンブラ宮殿は14世紀に完成しましたが、15世紀にキリスト教軍に明け渡されて現在に至っています。アルハンブラ宮殿を見て感心するのは、まさにイスラム文化の粋を結集した建物で、美しいフォルムと細部にわたる装飾美のバランスが取れた素晴らしい建物ということです。2番目に感じたことは、異文化の建物であったにもかかわらず、キリスト教文化が破壊をせずに現存させているということでした。

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 次にガウディです。ガウディは19世紀末から20世紀初頭に活躍した建築家ですが、特異なデザインで知られており、彼の建築群は世界遺産に登録されています。その代表作は何といってもサクラダ・ファミリアです。起工から137年経過して現在も建築中であることは有名ですが、2026年頃には完成するとのことです。今回のツアーは外部からの見学だけで内部に入れなかったのですが、ツアー参加者の中で、入場券を独自に事前入手して入場している方もいました。次回来ることがあれば是非内部に入ってじっくり見学したいと思います。

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 カサ・ミラは内部に入場することができました。建物外部のデザインのみならず、建築内部のディテールの独創的で大胆なデザインにも圧倒され続けました。また屋上は煙突などを巧みにデザインして不思議な空間となっています。

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 グエル公園は、当初市場や学校、60戸の田園住宅地として計画されたとのことですが、計画は失敗して、パトロンの家、ガウディの家など3軒のみ建築され、のちに公園として開放されたとのことです。しかし、計画が失敗して分譲がうまくいかなかったため公園が残り、バルセロナにとって大きな観光遺産となったとも言えます。またグエル公園のいたるところで見たことのあるようなデザインが見受けられました。これも世界中の建築家に大きな影響を与えたことの表れだと感じました。

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  最後にコロニア・グエル教会です。この建物は半地階のみ完成して、上部階は未完成のままですが、その天井を支える構造に特徴があります。その入り口で偶然、日本からの知人を案内するために来ていたサクラダ・ファミリアの主任彫刻師の外尾悦郎氏にお会いしました。
 ガウディは1926年に路面電車にひかれて74歳で亡くなったのですが、遺体は2日間身元不明の浮浪者として扱われたそうです。今回のスペインはガウディに会うために来たと言っても良いのですが、建築家として成功しても身なりにかまわず、建築に情熱を注ぎ続けたガウディに触れることができて幸せな時間を過ごすことができました。

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